流行やデザインを排除すると、
ナマの人間の面白さが見えてくる。

　なにかとなにかを組み合わせて、新しい「なにか」をしたいとずっと思っていました。高校を卒業したときに「カリスマ美容師」になる、と豪語していた夢は、美容師という職業では果たすことはできなかったけれど、編集者としてカリスマ（古い！）になりたいと今では思っています。「美容のセカイを変えるんだ」という、揺るぎない自分との約束があったから。
　美容文藝誌『髪とアタシ』は、こんなたった一人の戯言、独り言を、真面目に楽しく可視化した新しい文芸です。まだ世に出ていないオモシロキ美容師たちの話しは、美容師のみならずさまざまな人たちに受け入れられてきました。これこそが、僕が美容のセカイでやりたかった「なにか」なのかもしれない。まだまだ発展途上中ですが、新しい「なにか」を本という形でこれからも表現していきたいと思っています。